薄膜型樹液流センサの計測原理
熱拡散法(Thermal Dissipation Probe 法)について
薄膜型樹液流センサは、茎に装着した薄膜ヒータで茎を加温し、その温度上昇の大きさから樹液流量を推定する 熱拡散法(TDP法)を採用しています。樹液流が多いほど熱が運ばれて温度上昇が小さくなる原理を利用しており、 温度差(ΔT)から樹液流束密度(Js)を算出します。
- ヒータ加温による定常加熱法を採用
- 4本のサーミスタで温度変化を精密測定
- 非破壊・非侵入型のため茎・幹を傷つけない
- 膜厚200μm の薄膜設計で細茎(5mm〜)でも計測可能
対応センササイズ一覧
| 型番 | 対応茎径 | 主な用途 |
|---|---|---|
| SFS-S | 5〜15 mm | 細茎・若木・トマトなど |
| SFS-M | 15〜30 mm | 中径木・かんきつ若木など |
| SFS-L | 30〜60 mm | 成木・ブドウ主幹など |
| SFS-XL | 60〜120 mm | 大径木・樹齢の高い成木など |
センサの設置方法
基本的な設置手順
- 設置予定箇所の茎径をノギスで計測し、適切なサイズのセンサを選択します
- 茎表面の汚れや粗れをティッシュ等で軽く拭き取ります
- センサのヒータ面(接着テープ側)を茎に沿わせて密着させます
- 付属の保護カバー(ジャケット)でセンサ全体を覆い、外気の影響を遮断します
- センサコネクタを Norman mini の指定チャンネルに接続します
- Sapflow Monitor にログインし、データが正常に取得されていることを確認します
設置時の注意点
- 直射日光が当たる箇所への設置は誤差の原因となるため、必ずジャケットで遮光してください
- 風通しの良い環境では保護ジャケットをしっかり固定してください
- 茎の結節部・傷・病害虫被害箇所への設置は避けてください
- 計測開始から最低24時間は初期安定化期間として、データ解釈に注意が必要です
データ解析のポイント
樹液流データの見方
日中に樹液流量が増加し、夜間〜早朝に低下するのが正常なパターンです。 水分ストレス下では日中の最大値が抑制され、曇天・雨天時にはピークが低くなります。 複数個体の平均的な傾向と比較することで、個体差や処理効果を検出できます。
Sapflow Monitor での解析機能
- リアルタイムのグラフ表示(10分間隔)
- 日積算・時間別集計のダッシュボード表示
- 複数個体・複数圃場のデータ比較
- CSVエクスポートによる外部ツールでの詳細解析
- アラート設定(設定値以下になった際の通知)
よくあるご質問(FAQ)
データが取得できない、または途切れる
Norman mini の電源・アンテナ接続状態を確認してください。圃場での電波状況が悪い場合は、アンテナ位置の調整や中継器の設置をご検討ください。また、センサコネクタの接触不良がないかご確認ください。
樹液流量の値が常に0または異常に高い
ヒータと茎の密着不足が主な原因です。センサを一度取り外し、茎表面の清掃後に再装着してください。
異常に高い値が続く場合は、直射日光の影響が考えられます。ジャケットで遮光してください。
どの作物・樹種に対応していますか?
温州ミカン・カンキツ類、トマト・ナス等の野菜、ブドウ・リンゴ等の果樹など幅広い作物での実績があります。
草本性作物(茎が5mm以上あるもの)および木本性作物に対応しています。
特定の作物への適用についてはお問い合わせください。
Norman mini の通信方式は何ですか?
Norman mini は LPWA(Sigfox)通信を利用してクラウドにデータを送信します。
バッテリー駆動は可能ですか?
Norman mini はソーラーパネルとバッテリーを組み合わせたオフグリッド運用が可能です。
商用電源のない圃場でも長期安定稼働が可能です。詳細は導入相談時にご案内します。
上記に記載のない技術的なご質問は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください
技術的なお問い合わせ